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七人作りの峰


新田神社(稲荷大明神)から七人作りの峰にて大谷嶺へ至るバリエーションルート






2010年3月27日
 

コースタイム


5:35 駐車スペース
5:50 新田神社
7:50 七人作
8:50 1482m地点
9:50 1612地点
11:10 1766地点
12:00-15 七段沢のコル
13:45 ハチビツ山
15:20 大谷嶺
16:20 新窪乗越
17:35-50 扇の要
18:40 駐車スペース



前々からいつかは歩いてみたいと思っていた七人作りの峰。
しかし安倍奥随一の激藪で評判のこの尾根。大谷嶺までの標高差が1200mもあり距離も長いことから、なかなか実行することができなかった。
実行するには暑がりなのもあり涼しく積雪がない時期。これは虫や笹ダニがいない時期ということ。更に行程が長いので日没が遅い時期。
この辺をすべて考慮すると、暑い時期の5-9月は駄目。10-12月は日が暮れるのが早く駄目。1-3月上旬は積雪がある為駄目。ということになる。結果、消去法で3月下旬〜4月しかないということになる。

先週鳩胸尾根を登った時には縦走路に少し残雪があった程度。多少残雪はあるかもしれないが、この時期を逃すとまた1年先送りになりそうな気がしたので実行することにした。
一人で行くのは心もとないので同行者(七人作りの峰は縦走済)を誘い一緒に行ってきました。

※バリエーションルート。過去に遭難事故も起きています。


自宅を4時半頃に出発。市営梅ヶ島温泉の駐車場に車を置いてスタートする予定でしたが、着いてみたらまだ薄暗かったので西日影沢と蓬沢が合流する橋まで車で行きそこに停めました。帰りが少しは楽になりそうです。
15分歩いて5:50神社の鳥居に到着。天候はというとなんか微妙な天気です。大谷嶺側はガスで真っ白です。

神社まで道は階段です。結構急な階段ですが、手すりがついているので楽チンです。
6:05神社に到着。
6:10神社の横をすり抜け裏から歩き出します。三角点のある七人作までは植林の道で笹薮はまったくありません。
また道もしっかりしており迷いそうな所はありませんでしたが、途中熊の糞らしきものが大量にありました。

7:50七人作に到着。
天候はというと途中霧がかかり少し雪が降ってきましたが、七人作に着いた時は少しの間だけ日差しがでてきました。
この時点で気温は0度ぐらい。
さて、七人作の三角点を過ぎた辺りから笹薮がでてきます。
この辺は踏み跡がハッキリしており笹が深い割にはそれほど体力もつかわないし迷うこともなく結構簡単でした。
これなら鳩胸尾根のほうが大変だったかなと思っているうちに段々と踏み跡が薄くなり次第になくなり暫くして1489メートル地点に到着。
1489メートル地点を過ぎた辺りから尾根が広くなりどこでも歩けるようになってきます。
なるべく歩きやすそうな所を選んで進むのですが、笹が濃くかなり大変。
鳩胸尾根の笹藪とはレベルが違います。

9:50
1612メートル地点に到着。
座って休憩したいところですが、平坦な場所が全然ないので立って休憩となります。

1612地点から次の休憩ポイントである1766地点までが一番藪が濃く、又登りがきつく非常に疲れました。
この時点で気温は-1度ぐらい。このぐらいの気温だと汗をかかずにいられるので体調的には最適。天候はというと先程からガスがでてきています。

11:10
1766地点に到着。自分が予想していたコースタイムより50分程早く着きました。
自分が計画を作る時には、かなりのマージンを取ってコースタイムを作っていますので、この時点で50分早く着いたってことは今日は2時間くらい早めに下山できるかもしれないなと超甘い考えを持っていました。

1766からは尾根が2重になりかなり複雑な地形になってきます。
地形図とGPSで確認しながら最終的に左の尾根に向かいます。

12:00
七段沢のコルと思われる地形図の1691地点に到着。ここで昼飯休憩。休憩といってもおもすび1個とカロリーメイトのみです。
この時点で予定より75分早く着いています。
しかし、ここからが今回の山行の核心部でした。

ハチビツ山までは220mぐらいの登りだから結構簡単に着くだろうと考えてましたが、甘い考えでした。自分としてはここからは登山道がしっかりあり背丈の低い笹しかないだろうと思っていたのです。

等高線がキツキツのこの斜面はものすごく体力を使います。しっかりした登山道なんてありません。

13:45
1691地点から90分程かかりハチビツ山に到着しました。
すでに体力は使い果たしていますが、残りは大谷嶺の登りのみ。50m下って150mの登りだから60分もあれば着くだろうと思っていました。
ここから大谷嶺までは一旦下る。下った後は登り一辺倒だと思っていましたが、微妙なアップダウンが多い。既にガスで視界はほとんどないのもあって巻き道を探す気にもならない。とにかくガレの淵を登っていく。

この区間が本当に疲れた。土と雪は凍結しており歩くのも大変。途中から軽アイゼンをつけましたが、もっと早くからつければよかったと痛感した。
本当に大谷嶺につくことができるのか?と段々弱気になってきましたが、傾斜が緩くなり大谷嶺の山頂が見えた時には本当にほっとしました。

時刻は15:15。ハチビツ山からは90分かかったことになります。正直この天候と日没が18時なので最悪でも大谷嶺に16時につかなければ遭難の可能性があるなと感じ始めていました。


5分休憩し、さあ出発となったところでいままでガスで視界がほとんどなかったのになんと日が差してきました。

写真を撮って1分ぐらいしたらまたガスで視界がなくなりました。

この一瞬の出来事にいままでの疲れが少しは取れた気がします。

大谷嶺から乗越までは凍結があり結構怖い思いをしながら歩きました。
乗越からは凍結もなくサクサクと下ることができた。
17:35登山口に無事到着。
しかしまだ終わったわけではありません。ここから車まで林道を歩かなくてはいけないのです。

18:40
辺りはもう真っ暗。やっと車にたどり着きました。

感想

とにかくきつかった。体力的に限界を感じた山行だったと思う。
「もう一度行くか」と聞かれれば「行かない」と答えるだろう。これはつまらなかったという事ではなく単純に体力的に辛すぎるからです。